柔らかな蕾+α
「お願い!!」
「ダーメ。」
悟浄と八戒と一緒に買い物に町へ出かけたら、そこで美冷さんに会った。
あたし達の姿を見た瞬間、凄い顔して悟浄に飛びついて何か話し始めたから、邪魔になっちゃ悪いと思ってあたしと八戒は側のベンチに座ってのんびり二人を眺めていた。
「いいでしょ!これにかけてるのよ、私!」
「だからって何でチャンなんだよ!」
何だか知らないけど、あたしが関わってる・・・のかな?
話の内容が気になって八戒の服の裾を引っ張って尋ねてみた。
「ねぇねぇ、何話してるの?」
「あの二人ですか?」
「うん。」
「美冷さんがヘアメイクの大会に出場する、という話みたいですよ。」
桃源郷にもそんな美容系の大会ってあるんだ。
「それって凄いの?」
「そうですね・・・ここは小さな町ですから、もしその大会で優勝することにでもなれば賞金も入りますし、美冷さんの働いているお店の知名度も格段と上がります。」
「なるほど。」
美冷さんとは今では顔見知りになってるけど、最初は綺麗で怖いお姉さんってイメージだったんだよね。
悟浄の事が好きな、スタイルのいい酒場のお姉さん。
でもそれ以降時々悟浄と八戒と一緒にお茶を飲んだり、町で挨拶をするうちに面倒見のいい人だって事も分かった。
言葉の分からないあたしと話す時には、必ず手帳に文字を書いて一生懸命意思の疎通を図ろうとしてくれる。
だから最近は美冷さんの言う事なら、多少分かるようになってきた・・・気がする。
「で、その美冷さんがなんであんなにあたしの名前連呼してるの?」
「それはですね・・・」
八戒がその説明をするよりも早く、美冷さんが急にあたしの腕にしがみついてきた。
「綺麗な、見てみたいでしょ!!」
「は?」
綺麗 見る
美冷さん、あたしに不似合いな単語がひとつ混ざってて・・・意味が分かりません。
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柔らかな蕾のオマケ話です。
オマケにもならないような話で申し訳ない(苦笑)
え〜っと、美冷さんがヒロインをモデルにとっ捕まえる部分です(笑)
ついでにうたた寝本編で悟浄と別れた後、こんな風に普通に話せる仲になってますよぉ〜と言う話。
・・・って、話のオマケじゃなくてどっちかって言うとキャラのフォロー話か!?